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根羽沢(ねばざわ)鉱山

 根羽沢鉱山は群馬県利根郡片品村大清水に位置する浅熱水性鉱脈鉱床で、主として本𨫤、万才2号𨫤、万才3号𨫤などの鉱脈が知られている。
 金銀鉱石として縞状を呈し、銀黒縞の明瞭な石英脈である。根羽沢鉱山の金銀鉱物は鉱化ステージおよび空間的に(1)Au-Ag-Sb-As-Sタイプ(エレクトラム、濃紅銀鉱、淡紅銀鉱、ポリバス鉱-ピアス鉱系鉱物、ミアジル鉱、含銀四面銅鉱)、(2)Au-Se-Sタイプ(自然銀、輝銀鉱、アグイラ鉱)、(3)Au-Agタイプ(エレクトラム、自然銀)、(4)Au-Ag-Sb-Se-Sタイプ(エレクトラム、自然銀、濃紅銀鉱、ポリバス鉱-ピアス鉱系鉱物、含銀四面銅鉱)が知られている。 これらの内(1)~(3)は万才2、3号𨫤で、タイプ(4)は主に本𨫤で見られる(Nakayama, 1986)。
 生成年代は5.7-5.5Maと中新世とされている(中野、1981;中野他、1981)。

【参考文献】

 Nakano, E.(1986)Paragenetic and compositional variation of Au-Ag minerals in the Ginguro ores from the Nebazawa mine, Gunnma Prefecture. Mining Geology, 36, 511-522.
 中野啓二(1981)根羽沢金銀鉱床の鉱脈と裂か系の生成機構--三次元スケールデル構造実験による鉱脈裂かの解析-鉱山地質、鉱山地質特別号!日本の金銀鉱床、10、87-105。
 中野啓二、佐藤憲隆、山田 亨(1991)根羽沢鉱山の地質および探鉱について。鉱山地質、31、81-97.

(文責:北風嵐)

根羽沢鉱山の事務所の近く
根羽沢鉱山の事務所の近く
根羽沢鉱山の鉱山事務所
根羽沢鉱山の鉱山事務所
根羽沢鉱山の鉱脈の露頭(第一露頭)手前は小川
根羽沢鉱山の鉱脈の露頭
(第一露頭)手前は小川
第一露頭(鉱脈は累被縞状組織が明瞭)
第一露頭
(鉱脈は累被縞状組織が明瞭)
第一露頭(鉱脈は累被縞状組織が明瞭)
第一露頭
(鉱脈は累被縞状組織が明瞭)
第一露頭の拡大(鉱脈は累被縞状組織が明瞭)
第一露頭の拡大
(鉱脈は累被縞状組織が明瞭)
累被縞状組織の発達した石英脈(万才3号𨫤-30mL W5.0付近)
累被縞状組織の発達した石英脈
(万才3号𨫤-30mL W5.0付近)
累被縞状組織の発達した石英脈(上記写真の拡大)(万才3号𨫤 -30mL W5.0付近)
累被縞状組織の発達した石英脈
(上記写真の拡大)
(万才3号𨫤 -30mL W5.0付近)
緑泥石を伴う石英脈(本𨫤)
緑泥石を伴う石英脈(本𨫤)