大身谷鉱山は兵庫県穴栗し一宮町倉床に位置する中熱水性含金・銀鉱脈鉱床であり、明延鉱山の銅・鉛・亜鉛・錫・タングステンを含む鉱脈群の西南方に近接する金・銀鉱床である。鉱山ではすべて古生層中に胚胎した鉱脈鉱床で、金・銀・石英脈と、銅・鉛・亜鉛・石英脈に大別でき、その内で主体の鉱床は金・銀鉱脈鉱床(特に富盛鉱床の鉱脈群)である(隅田、1969)。
金・銀鉱脈鉱床に産する主な鉱物は自然銀、輝銀鉱であり、時に濃紅銀鉱、脆銀鉱が濃集し、エレクトラムを随伴している場所も認められる。黄銅鉱の濃集している個所では普通銀鉱物も濃集している。
脈石鉱物は石英が主体であるが、方解石、氷長石などを伴う。
鉱床の詳細に関してはこちらの論文(大身谷鉱山の地質鉱床,主として富盛鉱床について)を参考にして下さい。
【参考文献】
隅田 実(1969)大身谷鉱山の地質鉱床、主として富盛鉱床について。鉱山地質、19、133-146.
(文責:北風嵐)