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小坂鉱山

 秋田県小坂鉱山は鹿角郡小坂町元山に位置する黒鉱鉱床で。大きく元山(もとやま)鉱床、上向(うわむき)鉱床、内の岱(うちのたい)鉱床、に大別される。元山鉱床は露天掘りであるが、上向鉱床および内の岱鉱床は抗内採掘である。ここでは元山鉱床および上向鉱床の写真を掲げている。

 元山鉱床:もっとも古くに発見され露天掘りで開発された鉱床であった。元山角礫岩の上に珪鉱- 黄鉱- 黒鉱という一般的黒鉱鉱床と同様な累帯構造を示しており,さらにこれが南から北へ水平的に位置していた。
元山鉱床の露天掘り跡の一部に賞規模ながら黒鉱が露出している場所があり、黒鉱の胚胎状況が観察できる場所が見られる。

【参考文献】
 林 一(1960) 小坂鉱山,元山鉱床の構造について。鉱山地質、10、227-236。
 林宗一 (1961): 小坂鉱山元山鉱床の黒鉱の産状. 鉱山地質。 10、433~442。

小坂鉱山元山鉱床の露天掘り跡
小坂鉱山元山鉱床の露天掘り跡
小坂鉱山元山鉱床の露天掘り跡
小坂鉱山元山鉱床の露天掘り跡
元山鉱床の基盤を成す元山角礫岩
元山鉱床の基盤を成す元山角礫岩

 上向鉱床:上向鉱床は幾つかの鉱体が知られているが、一般的に下位より黄鉱質珪鉱、黒鉱質珪鉱、黒鉱の順に配列している。黄鉱や硫化鉄鉱に乏しく黒鉱に富む鉱体である。

【参考文献】
 大島敬義・河辺重昭・谷村昭二郎・菅 清規・石川洋平(1968)小坂鉱山における最近の探鉱について-上向鉱床群の地質および鉱床-。鉱山地質、18、134-149。
 神野孝行・中尾 強・西田米冶(1970)上向鉱床の開発とその技術的諸問題について。日本鉱業会、86、245.-249。
 河辺重昭・菅 清規(1972)小坂鉱山上向鉱床の探査について。鉱山地質、22、303-313。

小坂鉱山上向鉱床の立坑
小坂鉱山上向鉱床の立坑
小坂鉱山上向鉱床の立坑と鉱山事務所
小坂鉱山上向鉱床の立坑と鉱山事務所
上向鉱床の重晶石に富む黒鉱
上向鉱床の重晶石に富む黒鉱
上向鉱床の重晶石に富む黒鉱(上図の上部の拡大)
上向鉱床の重晶石に富む黒鉱
(上図の上部の拡大)
上向鉱床の黒鉱
上向鉱床の黒鉱
上向鉱床の珪鉱質黒鉱と上部の緻密質黒鉱
上向鉱床の珪鉱質黒鉱と
上部の緻密質黒鉱
上向鉱床の緻密質黒鉱と上盤粘土帯
上向鉱床の緻密質黒鉱と上盤粘土帯
上向鉱床の緻密質黒鉱と上盤の白色粘土帯
上向鉱床の緻密質黒鉱と
上盤の白色粘土帯